みなさん、よい週末をお過ごしですか?

さて、本日は夕方からゼミのOB会です。1996年に立教大学に奉職して以来、早いものでもう21年目になりますが、その間、たくさんのゼミ生が社会へと巣立っていきました。そうしたみなさんと久しぶりにお会いするのは、本当にうれしいものです。

ゼミでは、比較的大人数の学生たちが、幾つかのグループに分かれ、自分たちが興味関心をもった現代的問題につき、調査・報告することが要求されます。内容は、必ずしも狭い意味での法学に関するものでなくても構いません。唯一の条件は、私を知的にエンターテインすることで、それさえ満たされれば、何を題材にしても構わないのです。

でも、結果的に、題材は法学でなくても、分析のためには法的思考力、報告の際には法的コミュニケーション能力が必要になっている気がします。そして、それをゼミの中で鍛錬したことが、OBたちの社会での様々な活躍の源泉になっていると信じたく思います。

明日は、第十一回、本書の第7章を扱います。こちらも「身近なニュース」という必ずしも狭い意味での法学には関係するとは限らない題材ですが、法的思考力・法的コミュニケーション能力をフル活用して、みなさんと分析・議論をしていきたいと考えています。

ただ、本書でとりあえた題材は少し古新聞ですし、ヒントを与えすぎていますので、以下の都知事選挙に関する記事を使ってみたいと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160702-00000092-jij-pol

ではみなさん、また明日!

現在、再び名古屋にいます!

今回は名古屋大学と英国の West London Univerdity 共催の国際仲裁ワークショップでのスピーカーのための訪問です。

第九回の授業「法学の分野」でも説明しましたが、私の本当の専門は国際ビジネス紛争の処理手続であり、このワークショップは、まさに私の専門分野そのものを扱っているものです。

他のスピーカーとしては、英国人、ベラルーシ人、スイス人であり、司会もイタリア人、ウズベキスタン人、聴衆はさらに様々な国々の法学部院生という形で、本当に国際色豊かです。

でも、法学という共通枠組があれば、議論が混乱することなく、不思議なくらいに建設的な議論ができるんですよね。もちろん、英語ができることも同時に必要ですが。

また、前回では基礎法の分野につき紹介するために、「赤信号は何故渡ってはいけないか?」を考えてもらいましたが、その過程で、制度の理由は本当はどこにあるのか、その制度を成り立たせている暗黙の前提はないのか、考えざるを得ないという体験もしてもらったと思います。このワークショップでも、様々な国々の人がいるだけに、共通の制度について議論したとしても、問題の発現の仕方や評価が国ごとに異なるため、それを話しあっていくうちにむしろその制度の本質がさらによくわかるという体験ができた気がします。

次回、第十回は「法の適用プロセス」です。身の回りの様々な事象がいかに法によって規律されまくっているのか、考えていきましょう。私の弁護士としての様々な体験も織り交ぜさせていただく予定です。

現在、アンチドーピング法制化に関するシンポジウムに参加のために、早稲田大学に来ています。

アンチドーピングに関しては、ドーピング検査により陽性反応が出た場合、しかしそれだけですぐに違反となるわけではありません。
アンチドーピング機関を検察官、アスリートを被告人とした場合、裁判官的な役割をするアンチドーピング規律パネルという機関が存在しており、その機関の下でのアンチドーピング機関、アスリート双方の主張立証の末、違反の有無、制裁の期間が決定されることになります。

このアンチドーピング規律パネルのパネリストを10年近く務めているため、その関係で、今回のシンポに参加することになりました。

いま、ドーピングの技術は高度化してしまっていて、尿検体の検査だけでは検出できない方法が様々に使われるようになっています。
その摘発には、あくまで民間団体であるアンチドーピング機関では力が足らず、警察機関、税関など、さまざまな国家機関の協力が不可欠であり、世界のトレンドにもなっています。しかし、その実現には法制の整備が必要であり、現在、スポーツ庁でそのための検討作業が進められているということになります。

ドーピングの摘発がしっかりできない国では、国際スポーツ大会の開催もままなりません。これからの日本の未来のために、きちんと整備を進めていただきたいと思います。

前回は「法学の分野」に入り、様々な法学の科目について(名前からまずは内容を想像してもらってから)説明しましたが、例えば、このスポーツ法という分野など、新しい法分野も多用に広がっています。法学の持つ汎用性の好例とも言えるかもしれませんね。

明日は第九回、「法学の分野」を終えて、第6章「法の適用プロセス」に入れればいいなと思っています。それではみなさん、明日もよろしく!

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