現在、アンチドーピング法制化に関するシンポジウムに参加のために、早稲田大学に来ています。

アンチドーピングに関しては、ドーピング検査により陽性反応が出た場合、しかしそれだけですぐに違反となるわけではありません。
アンチドーピング機関を検察官、アスリートを被告人とした場合、裁判官的な役割をするアンチドーピング規律パネルという機関が存在しており、その機関の下でのアンチドーピング機関、アスリート双方の主張立証の末、違反の有無、制裁の期間が決定されることになります。

このアンチドーピング規律パネルのパネリストを10年近く務めているため、その関係で、今回のシンポに参加することになりました。

いま、ドーピングの技術は高度化してしまっていて、尿検体の検査だけでは検出できない方法が様々に使われるようになっています。
その摘発には、あくまで民間団体であるアンチドーピング機関では力が足らず、警察機関、税関など、さまざまな国家機関の協力が不可欠であり、世界のトレンドにもなっています。しかし、その実現には法制の整備が必要であり、現在、スポーツ庁でそのための検討作業が進められているということになります。

ドーピングの摘発がしっかりできない国では、国際スポーツ大会の開催もままなりません。これからの日本の未来のために、きちんと整備を進めていただきたいと思います。

前回は「法学の分野」に入り、様々な法学の科目について(名前からまずは内容を想像してもらってから)説明しましたが、例えば、このスポーツ法という分野など、新しい法分野も多用に広がっています。法学の持つ汎用性の好例とも言えるかもしれませんね。

明日は第九回、「法学の分野」を終えて、第6章「法の適用プロセス」に入れればいいなと思っています。それではみなさん、明日もよろしく!